はちみつ以外にも、ミツバチはいろいろな物を作り出します。
■ローヤルゼリー
別名「王乳」とも呼ばれるローヤルゼリーは、はちみつとはまったく別の食品です。まだ飛べない若いメスバチが、花粉を食べて体内で消化・分解・合成し、下咽頭腺と大あご線から分泌した、酸味のある乳白色クリーム状の物質です。最初は働きバチと同じ幼虫だったはずの女王バチが、このローヤルゼリーだけをたっぷり食べることで、毎日1500個〜2000個の卵を産み、3〜4年も生き続けます。普通の働きバチが、はちみつと花粉を食べて1ヶ月で死んでしまい、産卵もできないのに比べて、寿命だけでも30〜40倍以上、体長は2〜3倍に育つ女王バチ。その驚異的な生命力の源が、ローヤルゼリーなのです。
ローヤルゼリーには、人の体に不可欠な必須アミノ酸(体内では合成できず、食品から摂取しなければならないアミノ酸)8種類を含め、全部で22種類のアミノ酸が含まれています。またミネラルやビタミンなど、栄養上欠かせない各種元素が含まれた、高タンパクな完全な栄養食品。1日たった1さじ、0.5〜1gほどで、疲労回復の効果があります。
温度変化に弱いので、冷蔵庫に入れたりせず、常温で保存します。加熱などもせず、なるべく3ヶ月以内に食べ切るようにしましょう。風邪を引きやすい人、食欲不振の人、妊娠中、スポーツの後、病中・病後などの人にオススメです。しかし、喘息の心配のある人は使用を避けましょう。ひどいアレルギー反応があったり、まれに死にいたる場合があると報告されています。
私もひどい風邪をひいた時に、夫が買ってきてくれたローヤルゼリーを飲んだら、長引かずに済んだことがあります。もともと体力あり余ってたからだろ?っていわれましたけど(笑)いつもなら、まだ2〜3日ノドやハナがおかしい筈なのに、スパッと治った感じでした。
■プロポリス
プロポリスは「ハチヤニ」とも呼ばれるネバネバした物質です。ミツバチが、集めてきた新芽や樹液などの植物樹脂を、蜜ろうや唾液などと混ぜあわせて作ったもので、自分たちの巣を守り、清潔に保つために使っています。
ラテン語のプロ(Pro=前・正面)と、ギリシア語のポリス(Poris=国家)からできた名前で、「敵の侵入を防ぐ城壁」という意味を持ちます。ミツバチは、このプロポリスを巣の出入り口や通路に塗って、ウィルスやバクテリアなどから身を守っているのです。
プロポリスの主成分は20〜30種類のフラボノイド。フラボノイドとは植物に含まれる色素物質のことで、抗菌作用や鎮痛作用、免疫活性化や新陳代謝を高める作用があるとされ、健康食品のひとつとされています。
■花粉
ミツバチ花粉(ビーポーレン)はローヤルゼリーの原料でもあり、様々な栄養分がバランスよく含まれているため「自然が作り出す完璧な食品」として欧米でよく食べられています。ミツバチ花粉によって花粉症が治ったり、軽くなったりしたという報告もあり、今後が期待されています。
■巣入りはちみつ(コムハニー)
はちみつが入ったままのハチの巣を、巣入りはちみつ(コムハニー)といいます。ロイヤルゼリーやプロポリス、花粉の成分が巣の壁に付着したままで、栄養価が高い食品です。上部が白いのは、ハチの巣にはちみつをいっぱいに貯めて、蜜ロウでフタをした時、いっしょに閉じ込められた空気のせい。蜜ロウは人が食べても問題はありません。
■蜜ロウ(ビーズワックス)
ミツバチは、はちみつを体内でロウに変えることができます。はちみつを食べ、その10分の1の量をロウとしてロウ腺から分泌するのです。それを口で加工しながら、六角形の巣を作っていきます。はちみつをとった後のハチの巣を精製し、不純物を取り除いたものが蜜ロウです。
安全な天然物質であり、唯一食べられる「ロウ」なので、食べ物や直接肌につけるものに使用されます。チューインガムや食品のコーティング、化粧クリームや口紅などの化粧品、幼児用粘土など幅広い利用がされていますが、いちばんポピュラーなのが蜜ロウソク(ハニーキャンドル)でしょう。
蜜ロウの歴史は古く、古代エジプトでは塗り薬に入れたり、ミイラの保存に使ったりしていました。古代ローマや古代ギリシャでも使用され、有名なクレタ神話の「イカロスの翼」にも、翼の根元を固めてあった蜜ロウが太陽の熱で融け、イカロスはエーゲ海に落ちてしまったと書かれています。また蜜ロウソクとキリスト教のかかわりは大変深いものがあり、教会の祭壇に灯す明かりは必ず蜜ロウソクと定められたため、寺院や修道院では蜜ロウを採るためにミツバチを飼っていたほどです。