はちみつの基準については、もう既に国際的な規格が定められています。FAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によって設置されたコーデックス委員会によって、1995年に改正が始まり、2001年に国際規格として成立しました。
国際食品規格によると、販売される「はちみつ」というのは「何も足さない何も引かない」ものだけです。食品原材料を加えてはダメ。食品添加物を加えてはダメ。はちみつ以外のものを添加して作られていても、ダメ。加工中や貯蔵中の異臭・腐敗はダメ。発酵や発泡してもダメ。異物を除去するときを除いて、花粉もはちみつに特有な成分も取り除いてはダメ。成分が変化したり品質が損なわれるような加熱や加工はダメ。結晶化に影響を及ぼすような化学的もしくは生化学的処理もダメ。これにあてはまる製品のみ「はちみつ」と表示してもよいのです。
さて、日本でいうところの「精製はちみつ」って、何でしょうか。実は、従来「脱色脱臭はちみつ」といってきたものを、あの(!)全国はちみつ公正取引協議会が、耳触りのよい「精製はちみつ」という言葉に変え、公正取引委員会の承認を受けて使っているものです。「何も引かない」どころか、はちみつの有効とされる成分を、甘味を残して根こそぎ取り去ったもの、それが「精製はちみつ」です。
さてこの「精製はちみつ」、そのまま商品として売られる時はちゃんと「精製はちみつ」と記載してあります。ところが、清涼飲料水やお菓子の材料として使う場合はどうでしょうか。そう、原材料表示欄には「はちみつ」としか記載されないんですね。それが国内では一般的な解釈だそうです。「公正取引委員会が認定したはちみつの定義も、加工食品には適用されないと考えて、最も一般的な名称だから『はちみつ』と原材料表示している」、大手企業はこのように答えたそうです。
でも、ふつう原材料に「はちみつ」と書いてあったら、たんぱく質やビタミン・ミネラルを豊富に含んだ、天然もののはちみつを想像しちゃいますよね。それを期待して企業側もそんな書き方をしている、一種のイメージ戦略だと考えられます。しかし、養蜂家の努力によってこつこつと集められた天然はちみつと、中国などから大量に輸入した濃縮はちみつを脱色脱臭した「精製はちみつ」が、同じ表示で許されるなんて言語道断。とても納得できるものではないと、各地の養蜂家から抗議の声が上がっているのも、当然ではないでしょうか。
もともと私がはちみつに関心を持ったのも、スーパーなどで売っているはちみつと比べて、本当の「純粋はちみつ」はなんて美味しいんだろう!と感激したのが出発点です。健康や環境問題に関心の高い人が増え、社会に対する問題意識も上がってきている現在、人気だから売れるからと粗悪な製品を大量生産するのは、結局その業者や企業、ひいては業界全体の首を締めることになります。手を回したつもりでも、ちょっとした検査や内部告発から不正はバレていく。消費者のことを考えた製品を作っていくことが、結局は企業利益につながっていくのだと、そんなふうに思えてなりません。
はちみつ大好きな食いしん坊の私は、美味しいはちみつを安心して、たっぷり食べたいだけ・・・なんですけどね(笑)